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「裸の王様~ハダカのキング~」誕生話 最後

2015年11月25日 01:37


両親を亡くし、兄弟もいなく、妻もいなく、親しい友人もいない男が社会と唯一繋がっていた会社を辞めた。男にはなにもない。そんな男がある日突然『王様』になった。
その王様の望みは幸せになること。

人と人が関わり合う世界において人が幸せになるためには・・自分一人だけの力ではどうしようもならないことがある。
王様を幸せにするための力を『幸せにしてくれる人々』として僕は4つに分けた。

『幸せになるために支えてくれる人々』
この物語では王様の臣下や国民たち。

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臣下の名前はアンデルセンに敬意を払って全員デンマークの人の苗字にした。
アンデルセン始め、デンマーク人はセンが付く苗字が多い。
ヨハンセン、ペータセン、ニールセン、カールセン、ラッセン・・などなど。
最初から王様を支えるのは16人の臣下。彼らは王様「安田前雄」が日常で出会っている人々。※といっても話したことはほとんどない。
なぜかいつもよく同じ電車に乗り合わせる中年のサラリーマン、駅前でいつも踊っている若い子、携帯ショップでいつも笑顔を振りまく店員、いつも厳しい顔で交番の前に立っている警官、やる気のなさそうにいつも誘導灯を振っている警備員・・など。
それは王様「安田前雄」がいつも「あの人にはどんな幸せがあるのかなぁ。」と思っていた人達。

『幸せになるために誘(いざな)ってくれる人々』
この物語では布織り職人の2人。

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元は王様がいつも通うコンビニの店員。元祖「裸の王様」でも物語のキッカケを作ったのは2人の布織り職人だった。
この2人が王冠と裸の王様の唯一のお召し物であるパンツを用意する。

『幸せになるために刺激を与える人々』
一人は王様に知っている人の中でもっとも欲が強く、力を持った男。
それは元の会社で王様に敗北感を与えた仕事上のライバル。

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もう一人は自分にないもの全てを持っていて、強力な恋敵である男。
それは完璧なルックスを持つイケメン俳優。

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2人に共通するのは『自分に対する絶対的な自信と欲望に対するバイタリティ』、それは王様が持っていないもの。だから刺激を受ける。

そして最後は『幸せになるためにどうしても諦めきれない人』
王様が最後まで愛した女性。

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それは王様が幸せになるための欲求を最後まで持続させた、その力を与えた女性でもある。


僕は人物像や世界観をわりと緻密に作ってから台本を書き始めるタイプである。
でもセリフはそんなに緻密に考えて書いていない。
作り上げた人物像を自分が創りたい世界観の中で遊ばせて、その人物達が勝手にしゃべっているのを書きとめて本にしているようなものだ。
そして本が出来上がると、それを演出として完全に客観視して製作作業に入る。
だから演出の僕として最初の作業は自分の書いた台本のセリフを再分析することである。
前回書いたラストシーンの王様と女性のセリフのやりとりの話も後になって自分なりに自分の台本を解釈してみてのことだ。
最初からそう思って書いたわけではない。

台本を書く僕と演出をする僕は違う人物なのかもしれない、と最近よく思う。
だからメンバーから僕にはゴーストライターがいるのではないかと疑惑が持たれているのだ。

台本を書いている僕、稽古場で演出している僕、どっちが幸せな僕なのだろうか・・
昔は断然に演出している僕だったんだけどな。
今はもしかしたら五分五分かもしれない・・いやまだ六分四分で稽古場の僕かな。

これで大魔王公演の話はおしまい。
本当におしまいである。
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